「第2回 何歳ぐらいまで働けるの?」では少しだけ雇用保険に触れましたが、それ以外にも雇用保険には得する事が幾つもあります。
今回は「知っていると得をするシニアの雇用保険」をQA形式でご説明します。
Q1 定年退職後は雇用延長で今の会社で働く予定ですが、給与が大幅に減るため生活が苦しくなるのではと不安で....
A 賃金が 75%未満に下がった場合、雇用保険の”高年齢雇用継続基本給付金”が給付されます。
【❶ 高年齢雇用継続基本給付金】
60 歳以上 65 歳未満で、60 歳時点に比べて賃金が 75%未満に下がった場合に、高年齢雇用継続給付で最大15%給付金が支給されます。
詳しくはこちら(厚生労働省HP)
残念な事にこの制度は段階的に廃止されることが決まっていて、令和7年4月1日以降に受給資格要件を満たす方は、最大15%⇒最大10%に減っています。
Q2 60歳定年退職で会社を辞め、雇用保険を受給しています。
再就職を早く決めると給付金がもらえると聞いたのですが、いくらもらえるのでしょうか?
A 高年齢再就職給付金がもらえます。金額は(支払われた賃金×最大 15%) で、基本手当の支給残日数が 100 日以上 200 日未満の場合は1年間、200 日以上の場合2年間が支給期間となります。
注)令和7年4月1日以降に受給資格要件を満たす方は、最大15%⇒最大10%となります。
【❷ 高年齢再就職給付金】
定年退職で会社を辞め雇用保険の受給している人が、再就職(基本給付を100 日以上 残して再就職)した際にもらえる給付金です。
雇用保険受給中に再就職を早く決めた場合の給付金としては、全ての雇用保険受給者が対象となる”再就職手当”もあります。60歳以上のシニアは”高年齢再就職給付金”と”再就職手当”から自分に得な方を選択する事ができます。
詳しくはこちら(厚生労働省HP)
Q3 60歳定年退職で会社をやめ新しい仕事を探そうと考えています。失業保険はうけとれますか?
A はい。定年退職をしていても失業保険は給付されます。
雇用保険の年齢制限は撤廃されていて何歳でも失業保険は給付されます。また定年退職は”自己都合”扱いになるので1ヶ月の給付制限期間があります。(この4月の制度変更で自己都合の給付制限が2ケ月から1ケ月に短くなりました。)
注意点としては次の2点があげられます。
①65歳までは通常給付ですが60歳以上になると給付日数が減る
②65歳以上の失業者が受給できる手当は高年齢求職者給付金に変わり一時金になる(金額も最大50日分)
(給付日数)
65歳未満は通常給付
・60歳未満は最大330日
・60歳以上65歳未満は最大240日
65歳以上は高年齢求職者給付金
・65歳以上は一時金で給付
被保険者期間が1年未満:30日分
被保険者期間が1年以上:50日分
【❸ 高年齢求職者給付金】
高年齢求職者給付金は、65歳を過ぎた被保険者が受け取れる失業保険です。詳しくはこちら(ミドルシニアマガジン)
第4回では「印刷業界で長く働く方法」について解説します。(近日公開予定)